https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000356277

最後のあとがき(P92)にもあった通り、ことばの荒れと枯れをもういちど恢復する途をていねいにたどっておきたいという思いで開かれた講演会の内容を収録した本である。
とてもやさしくて読みやすい。ことばがもつ含みや奥行きを大事にしていることが感じられる内容だった。
ことばは「万能」ではない。「たいていの場合、ことばのほうが過剰か過小であり、ピタリ、ズバリはまずない。」
これを読んだとき、わたしはいつも「あんなことを言わなければよかったな」とか「言っておけばよかったな」とか、後悔することがたくさんあるなと思った。ことばのアンバランスさに一喜一憂するのは日常茶飯事だ。
時と場合によって、「だんまり」することだってあるし、ことばにするには不完全な状態で「つぶやく」ことだってある。そして他者の話を聞き、その違いに耳を傾けて「語らう」。そのプロセスが重要なのである。
そしてわたしは他者と語らう以外では、書くことによって自分の思考が整理されていく気がしている。だから、わたしはブログを書くのか⋯と思ったりもしました。
最近の世の中はスピードが早すぎる。それと同じようにことばも乱雑で早くなっている。わたしはこれに抗いたい。
すぐに答えを出さず、急がず、ジグザグに回り道をして進みながら
ことばを紡いでいけたらいいなと思いました。