こちらは6月と7月に読んだ児童文学です。
感想を下書きに入れたままだったので、投稿します。
192さんの表紙イラストに一目惚れして読みました。
主人公は貧困層地区に住んでいる黒人の女の子・アマリ。ある日突然行方不明になった兄・クイントンを探すためにサマーキャンプに参加するのですが、そこで数々の摩訶不思議な体験をします。
もしも地球上に、自分達の知らない並行世界があったら?
その場所が「超常体が暮らす超常界」で、兄は超常界では有名な特別捜査官だったとしたら?
自分が生まれながらの魔術師だと知ったら?
超常界で魔術師の存在は敵だと認識されているとしたら?
まさに超常魔術ファンタジーと呼びたくなる児童文学でした。現実離れした内容ですが、実際に自分がその光景を目の当たりにしているかのように感じられる文章ですごく分かりやすかったです。
作者のあとがきで、この物語は最初白人の女の子を主人公に構想していたと打ち明けられてました。ただそれだとどうしても文章が進まず、自分が本当に書きたいものを考えて、結果的に黒人の女の子を主人公にしたとのこと。前例があまりないため、葛藤があったそうです。
このあとがきを読んで、確かに貧困層地区に住んでいる黒人の女の子が主人公のファンタジー作品って読んだことがないなと気づきました。
物語ではレイシズムや経済格差により不当な扱いを受け、「魔術師であること」を理由に差別されるアマリの様子も描かれています。
権力を持つ者による圧力や扇動によって不利な立場に追い詰められながらも、行方不明の兄を探すために、自分の力を信じて突き進むアマリの様子に心を動かされました。
自分にはどうしようもないことのせいで、他人は勝手に決めつける。ならばあたしは全力で、相手がまちがっていることを証明し、相手の思うつぼにはまらないようにするだけだ。あたしに対する考えを、ひとりずつ、変えていってやる。(P132)
それと同時に、マイノリティはここまで強くならないと分かってもらえないのか…とも思いました。頑張り続けなければ存在を認めてもらえないのは悲しいし苦しい。
だからこそ、アマリの味方になってくれる捜査官やドラゴン人間エルシーの存在に救われました。そしてアマリの頼れる相棒ディランとの結末を読んで一気に落ち込みました。
いまは続刊『アマリとグレイトゲーム』を読んでいますが、相変わらず序盤から波瀾万丈で面白いです。この作品が映像化されているところを早く観たいです。