https://www.iwanami.co.jp/book/b378357.html

研究結果が社会にもたらす影響、科学者の社会的責任を複数の視点から捉え直すという内容。
報道のあり方、公共空間を育てる技術文化の醸成、リベラルアーツとシティズンシップの話も出てきたけど、この本が書かれたのって2018年なんだよな(東日本大震災についての記載もある)。
今の日本の社会状況は悪くなるばかりか、これに出てくる「土壌を耕す」すら出来てない。
「公共空間の課題では、既存の組織の壁を固定したうえで組織の責任を追及するだけでは問題が解決できない。第6章でも議論したように、固定された組織の責任を考えることにとどまらず、その組織や制度をどのように変えれば当該問題がおこりにくくなるのかを皆で考えることが重要となる。(79頁)」
「リベラルアーツは、ただ多くの知識を所有しているという静的なものではない。自ら思考する力が必要となる。自分とは異なる専門や価値観をもつ他者と対話しながら、他分野や異文化に関心をもち、他者に関心をもち、自らのなかの多元性に気づいて自分の価値観を柔軟に組み換えていく。そのような開かれた人格を涵養するのがリベラルアーツ教育である。(82頁)」
「リベラルアーツ教育は、じつはシティズンシップ教育とつながっている。シティズンシップとは市民性を指し、市民が市民権を責任もって行使することを指す。市民をたんなる経済活動の中の受動的アクターとしてみるのではなく、能動的な主体としてみる見方である。(83頁)」