『ブエノスアイレス レストア版』を観た。

男性同士の愛と別れと約束、ファイ(トニー・レオン)の前進とウィン(レスリー・チャン)の停滞を、湿気がこもった鮮やかな色彩で描いた映画。

ファイの独占欲と嫉妬心、ウィンの寄る辺なさと真の孤独感が何度もぶち当たっては砕けていく。最後のファイの言葉「会おうと思えばいつでも会える」の意味を反芻してしまうな。私は、偶然を除いて、二人の人生が交わるかどうかは当人次第だと受け取った。でもそれは別離というよりも希望なんじゃないか…?と思えるような、ファイのやわらかい表情が印象的だった。

まあファイの独占欲でウィンのパスポートを隠すのはひどいと思うけど…。でもパスポートってファイが部屋を退去したときに置いていった(返している)ように見えたのですが、結局のところどうなのだろう?X(旧Twitter)で検索するとパスポート返してあげてって声が多い気がする。

あと『花様年華』でもあったように、二人の間に起こったことすべてを映すわけではなく、突然場面が切り替わるのがウォン・カーウァイっぽさだなと思った。決して多くない台詞で、俳優の多様な表情と細かい動きを見せることで、時間の経過の残酷さをしっかりと感じさせるのが上手い。

ファイとウィンの破滅的なやりとりの合間に、チャン(チャン・チェン)という存在が出てくるのもよかった。

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